EXWorks買付けによる戦略

 近年、海外フォワーダーを中心とした日本市場への投資が加速している。どうやら彼らの狙いは、自国の買主を顧客としたEXWorksによる買付けのフォワーディング業務を拡大するためのようである。

一般的に国際商取引では、代金を支払う買主のほうが売主よりも力関係が強い。この立場を利用した買主は、輸入に関するすべて物流をコントロールするため、EXWorks買付けに力を入れるのである。これによって売主は、物流に関連したwork-up(ピンハネ)ができなくなり、買主は物流費を大幅に安くすることが可能となる。さらには買主側の物流業者が自前の3PLを利用して物流をカスタマイズすることにより、新たな物流サービスの開発が可能となる。EXWorks買付けを行う条件としては、輸出国で現地のフォワーダーと同様かそれ以上のサービスが提供できなければならない。そのためには日本法人のサービス力をより強化し、日系荷主のビット(入札)で勝たなければならないのである。海外フォワーダーからすれば、輸出を生業とする日本企業はぜひとも獲得したいところであろう。

ただし問題は、このEXWorks買付けでは売主に利益がなく、売主からすればせっかく商品が売れても物流では損をする構図となる点である。物流知識のある売主はこれを嫌がりCIFなどの取引を推奨するが、支払い側である買主の主張が通されるケースが多い。以上のような海外勢に対抗するためには、EXWとは逆に、輸出をDDPDDUで契約し、売主が工場から買主のドアまで物流をコントロールすることであろう。物流業者は輸出先のサービスも開拓する必要がある。

今後は日系フォワーダーも同じ要領で海外へ打って出て行き、外地で現地に密着したサービス基盤を整え、現地荷主を獲得するべきである。アライアンスだけでなく、ジョイントセールス先の物流業者を積極的に買収しても良い。このまま日本という城に籠もっていては、兵糧攻めを喰らう一方である。

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