キューネ&ナーゲルは本社をスイスに置く国際フレイトフォワーダーである。
同社は1890年、ブレーメンでアウグスト・キューネによって小さな回漕店として設立され、1902年にパートナーとしてナーゲルを迎え入れキューネ&ナーゲルとなった。
キューネ&ナーゲルのコアビジネスは海運貨物、航空貨物のフォワーディング、内陸輸送、倉庫・配送業務であり、同社は特に、総合的なロジスティクスシステムの開発に力を入れている。今後は伝統的なEUの国際フレイトフォワーダーとして、海運ならびに航空貨物のフォワーディングとロジスティクスサービスを融合させ、さらに独自のe-コマースビジネスを開発する計画である。
キューネ&ナーゲルは、まずは自社戦力の拡充を優先し、必要に応じ他社の買収を慎重に進めていく方針を採っている。EUの内陸輸送ネットワークの拡充を図り、アメリカのロジスティクス市場へ進出するため、アメリカの大手倉庫系3PLアスコ・ロジスティクスを買収したのも一連の作戦である。
キューネ&ナーゲルの日本法人は1982年に東京に設立され、現在は国内に7支店、さらに2008年までに2支店をオープンする計画である。また日本法人は今月、成田に新しくロジスティクスセンターをオープンさせた。成田センターの主な顧客は日本航空であり、航空会社の機内で使用されるすべてのケータリングサービスに対応し、世界中のサービスステーションへのサービスや返却品のチェック、仕分けなどのオペレーションがここで行われる。今後はフォワーディング業務だけでなく、通関業も視野に入れ、国内外物流ネットワークの拡充を目指すという。
このような国際フォワーダーの日本市場を対象とした投資拡大計画は他社にもみられ、高い技術力を持つ日系荷主をターゲットとしたグローバル戦略であると考えられる。なぜならば、中国を始めとしたアジア市場は依然として単に物量が多いだけであり、先にパワーのある日本市場を抑えることで、付加価値が要求される単価の高いロジスティクスサービスを開発できるからである。
キューネ&ナーゲル
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