日本のフォワーダーは他国のフォワーダーをなぜ買収しないのか?それは日本のフォワーダーには国際ビジネスの経験者が少ないためである。
今日の日本経済を牽引している経営者や財界人のほとんどが海外勤務経験者であり、しかも20年や30年の長期に渡って国際ビジネスを経験した人物であることは、周知の事実である。しかしながらフォワーダーを含むサービス業に限っては、そのような人物は非常に少ない。それは何故か?
そもそも日本の経済界では製造業が主体となって海外展開が行われてきた。それに伴い、現地の日系企業に日本語でのフォワーディングサービスを提供する目的で、日系フォワーダーは海外進出を果たしたのである。1960年代に始まったこの動きは、三菱倉庫の香港進出を皮切りに、三井倉庫、日通、日新、明光海運などが続いた。第二派としては航空フォワーダーが展開を始め、日通航空、近鉄航空が追随した。
では何故、日系フォワーダーは他国のフォワーダーに立ち遅れてしまったのか?なぜならこれらの日系フォワーダーのサービスは、日系荷主を対象とした国内サービスの延長であったからに他ならない。本当の意味での海外進出とは、現地企業を対象に営業を仕掛け、サービスを提供し、現地人の社長を中心とした根強いネットワークを構築することであろう。日系製造業は、現地企業を相手に過酷な営業や折衝を繰り広げた結果、国際舞台で戦うためのノウハウと人材を獲得したのである。日系フォワーダーは国際ビジネスを経験してこなかったのだ。
海外荷主は言う。「言葉やきめ細かいサービスはいらない。いま欲しいのは、グローバルなネットワークと、安定したサービスである。そういった意味で、日系フォワーダーとはミスマッチがある。」
フォワーダーの海外展開
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