論語とソロバン

埼玉県出身の「渋沢栄一」は、
渋沢財閥を築いた実業家であり、
近代の日本経済の基礎を作った人物と言われている。
渋沢は言う。

「論語とソロバンは一致しなければならない」

論語とは孔子語録のことで、倫理、モラルを意味し、
ソロバンとは、商売、ビジネスのことである。


いま、日本で生活することが、
こんなにも過酷でストレスフルになっている原因とは、
それぞれが目的や利益ばかり追い求め、
目下の幸せを見ていないからである。
肩書きやお金のような見に見えるものよりも、
人間的なモラルといった目に見えないもののほうが、
よっぽど価値があり魅力的なのだ。
この倫理観こそが、知識や経験をも凌駕(りょうが)する、
人間の最も重要な資質なのである。
モラルとビジネスがハーモナイズした組織こそ、
この混沌とした世の中を変えていくのではないだろうか。


[グーグルの例]
米国大手検索サイトのグーグルは、
世界一の売上を誇る広告代理店である。
そして、IT業界の中では異例の経営方針を採っている。
グーグルの社長は、
「ビジネスは考えるな、ユーザーのことだけを考えろ」と言う。
グーグルでは本社のことを「キャンパス」と呼び、
社内での食事や飲み物はすべて無料。
上司からの命令は一切なく、
毎月、社員全員でパーティーが行われている。
彼らは、もはやお金や肩書きのためではなく、
自分を幸せにするために、
そしてユーザーを幸せにするために、
世界中のすべての情報を解き放とうとしている。
そこにはIT分野で天才といわれる人材が
世界中からひっきりなしに集まっているのである。



心理学や精神論で最先端を行くドイツでは、ビジネスマンは言う。
「会社には仕事をするために行くのではない、
 朝起きて、何となく会社に行くと、そこに適度な仕事が置いてあるんだ。」

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