M&A

 外国の投資銀行やファンドによる日系企業買いが加速している。このところ企業買収は世界的なブームとなっており、物流業界では株式会社化された「ドイツポスト(DPWN)」の事例が最も大型かつ典型である。「ドイツポスト」は90年代後半以降、欧州最大規模のロジスティクス企業だった「ダンザス」、米国大手のフォワーダー「AEI」、欧州とアジアにネットワークを持つエクスプレス企業「DHL」、米国航空貨物大手の「エアボーン」を相次いで買収し、買収による拡大戦略を推し進めてきた。そして今年に入って、英国を本拠地とする世界最大級のロジスティクス会社「エクセル」の買収に成功し、業界に激震が走ったのである。

※「エクセル」はコントラクト・ロジスティクスの世界最大手企業。同社も積極的な買収戦略で企業規模を拡大してきており、最近では3PL企業の「チベット&ブリテン」を買収したほか、昨年は日本で物流子会社大手の「富士通ロジスティクス(現エクセル・ジャパン)」を傘下に収めている。


 では日本ではどうであろうか?日本では法的な規制によって外国資本が投入しにくく、他国に比べその動きは緩やかであった。しかしながら今年5月の商法改正によって、企業買収にかかわる法律は一段と緩和された。実際に買収にかかわる規制緩和は2007年5月からの施行になるが、買収や合併といった商習慣に不慣れな日本の風土にとって、この規制緩和による影響は特に経営レベルにとって非常に大きい。経営者には外国ファンドと対等に戦うための優れた語学力と国際理解が求められるが、日系の特に老舗、大手とされる企業経営者にはその能力が極めて乏しい。商習慣の異なる外国資本と戦う上で、これは致命的なのである。また企業の中には、売却益を狙って買収を歓迎するの経営者もいるようだが、仮に買収された場合、被害を被るのは従業員である。事業が重複している支店や部署は統廃合され、買収された側の従業員の待遇は下がり、あるいは解雇されるのである。
 外国ファンドの資本力は桁違いで、大手老舗企業といえども全く油断はできない。日本でも今後は、従業員として長期で働く会社を選択する際、まずは経営者の資質・性格を見極めることが必要な時代となるであろう。

4 コメント:

匿名 さんのコメント...

その外資ファンドの原資は、日本企業の厚生年金基金だったり・・・。
日本は世界で最も成功した社会主義国だといったのは、ピーター・ドラッカー氏でしたか。いわゆる、「年金基金社会主義」というものですね。
労働者のお金である年金基金がお金を出して企業の株を買っている、会社の持ち主は誰なんでしょうね。

匿名 さんのコメント...

あ、年金基金社会主義は、ドラッカー氏が1970~80年代のアメリカについて述べた表現でしたね。
日本は世界で最も成功した社会主義国だといったのは、誰だか忘れましたが、それは確か公共事業による財政政策を中心とした経済政策が、とても成功していたときの比喩だったかな・・・。

自分で自分に突っ込みを入れる村雨でした。

Ben さんのコメント...

>村雨さん
いやぁ~語りますね!

少し話は変わりますが、

リッチな人は果たして幸せなんでしょうか?

このところ思うのは、

人生をお金に頼るのは寂し過ぎるということです。

匿名 さんのコメント...

>リッチな人は幸せか

リッチになったことがないから分かりませ・・グハ!☆(゜o゜(○=(-_-;パンチ
まずリッチさを体験してみたいでs(ry

それはそれとして私に言えることは、幸せか不幸せかを決められるのは自分だけですよ、ということです。自分を幸せだと思える人はいつだって幸せだし、自分を不幸せだとしか思えない人はいつだって不幸せです。

たぶん、そんな単純なことですよ。