日系荷主は企業規模がある程度大きくなると、物流企業にアウトソースせずにすべての物流を自前で行おうとする。これは自社の情報をなるべく守りたい、物流を含め商品のすべてをカバーしたいという日本の伝統的商習慣である。これらの大手荷主のビジネススタイルは今後とも変わらないであろう。したがってさらなるビジネス拡大を求める物流企業は、国内市場での荷主開拓だけではなく、外地へ進出し外国人荷主を開拓すべきである。
ドイツポスト(DPWN)は物流企業の弱点である金融サービスを強化すべく、2006年にドイツの銀行(BHW Holding AG)を買収した。欧米の商習慣では商社というビジネスが存在しないため、その代わりに物流企業が荷主のL/C開設や代金決済といった金融サービスを行う。ドイツポストの銀行買収劇は、元来物流企業の弱点とされてきた金融サービスを強化し、総合物流機能をさらに強化するためである。
日本の物流企業の場合は莫大な資本がない限り、銀行を買収することは難しい。しかし日本には伝統的商習慣から生まれた商社がある。この商社を、物流企業の金融サービスを行う関連会社として取込むべきである。金融に強い商社を買収し、物流企業は単なる輸送だけのサービスから脱するべきである。
これまで欧米の物流企業は吸収合併を繰り返してきた。しかしそのほとんどは欧米域内であり、アジア地域に対する本格的な買収攻勢はまだ行われていない。彼らはなぜアジアの企業を買収しない理由は、伝統的なアジアの物流企業や商習慣を熟知しておらず、買収によるメリットを計算できないためである。加えてまだアジアには、彼らの投資に値するような物流企業が生まれていないためである。日本企業が外地へ進出しない理由も、同様にリスクを取ることに躊躇してしまうためであろう。
[一言メモ]
サラリーマンの給料が世界一高い日本ですが、
何度も転職すると退職金が少なくなるから損。
外国人荷主を開拓せよ
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